証券コラム

2016/04/01 マーケットコメント「土信田雅之の相場の視点」

「膠着相場の先にあるのは…」

国内株市場は3月以降、日経平均17,000円台を挟んだもみ合いが続いています。さすがに膠着状態が約1カ月続いたことや、新年度相場入りということもあり、そろそろ相場にも方向性が出ても良いタイミングなのかもしれません。

いずれにしても、日本株が勢いを持って上昇していくには外国人投資家による買いが必要です。東証が発表している投資部門別売買動向では、3月第3週まで11週連続で外国人はずっと売越しが続いています。

日経平均は2月12日の打ち(15,000円台割れ)から直近まで2,000円ほど上昇していますが、外国人による買いが主導したものではなさそうです。昨年12月から始まった下落相場の要因は「米国の金融政策(利上げ動向)」、「原油安」、「中国」などの外部要因でしたが、最近は米金利動向を除いてひとまず落ち着きを見せていることで、世界各国の株式市場が持ち直していますが、日本株は出遅れ感があります。そのため、日本株を積極的に買えない背景を整理する必要がありそうです。

まずは企業業績です。中間決算までの上場企業の業績は、売上高が約+2.1%増、純利益20.7%増と強い基調でしたが、いわゆる「チャイナ・ショック」以降にこの基調が一転し、来期の減益見通しへの警戒も意識されています。株価は理論上、「EPS(1株あたり利益)×PER」で決まりますが、EPS低下の可能性が出てきたこと、そして、EPSの低下そのものが投資家の期待を示すPERも抑制してしまう格好になってしまいます。

また、これまでは景気や企業業績に警戒感が出てくるたびに打ち出された金融緩和政策が功を奏してきました。いわゆる過剰流動性相場ですが、足元では金融緩和政策への限界説も囁かれており、その効果への期待と持続性が低下しています。そもそも過剰流動性相場自体が実体を反映しない相場なので、企業業績という実体とのギャップが意識されている中では中長期的な買いは入れにくいです。

5月の伊勢志摩サミットや、夏の衆参同時選挙などへの思惑といったスケジュール感の中、経済対策への期待が残っていること、日銀の次の一手、消費増税先送り議論などが足元の相場を支えていますが、これまで企業業績が最高益を更新する中でも、消費は伸びず、物価目標は達成できず、最近になってGDPがマイナスになることが多くなっています。もともと、日本株の上昇はアベノミクスの「結果」を反映してものではなく、「期待」によるものですので、「アベノミクスの行き詰まり」感が外国人の中にあるのかもしれません。

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