証券コラム

2016/06/24 マーケットコメント「土信田雅之の相場の視点」

英国国民投票後の日本株

今週の国内株市場は、英国のEU離脱を問う国民投票を前に薄商いが続き、投票結果を見守っている展開によって、日経平均自体は節目の16,000円台を回復しています。先週はEU離脱警戒ムードが高まって急落していましたが、ひとまず落ち着きを取り戻している格好です。その国民投票ですが、このコラムが掲載される頃には何らかの結果見通しが出ていると思います(日本時間24日10時半~12時頃と言われています)。

これまでの株式市場は、当初の「残留ありき」シナリオから、「離脱も有り得るかも」と修正が行われ、再度、「何だかんだで残留だろうけど、注意が必要」という感じで推移してきました。すでに、残留と離脱の両方が意識されてきたため、結果がどちらに転んでも一応、「想定の範囲内」になります。そのため、EU瓦解リスクが高まるなどの不確実性シナリオにならない限り、相場の初期反応として多少のブレはあるものの、マーケットの視点は意外にあっさりと次に移ってしまうことも考えられます。

例えば米国の利上げ動向です。7月の米国は、8日(金)に6月雇用統計、14日(木)~15日(金)にFOMCが予定されています。もちろん、英国の国民投票で離脱が選択されれば、7月FOMCでの米国利上げが難しそうと思われるでしょうし、反対に、残留となればリスクオフムードが後退して利上げ観測が高まりそうです。いずれにしても、米雇用統計の結果と併せて見極めていく展開が想定されます。利上げ動向をにらんだ為替市場の動きに合わせて株式市場も推移していくことになります。

ただし、日本株にとっては積極的に上値をトライするようなイメージがなかなか描きにくい状況です。その背景は、日本株が売られてきた材料を整理してみると何となく浮かび上がってきます。

まずは、直近の(1)「英国国民投票の不透明感」です。これは先週の日本株の大幅下落と今週の反発分の動きと見て良さそうです。次に、(2)「米利上げ観測の後退」と「日銀金融緩和の打ち止め感」です。これによって、為替市場で円安が進行しにくく、むしろ円高気味になっています。そして、(3)「アベノミクスに対する期待の後退」です。6月の東証1部の売買代金が2兆円を下回る日が目立っていますが、これまでアベノミクスを支えてきた外国人を中心に、敢えて日本株を買う材料が乏しくなっていることを示していると思われます。

そのため、最近の日経平均は不安の震源地だった欧州以上に売られる格好になっているほか、今後しばらくの日本株は「何かあったら売りやすい」対象として意識されている可能性があります。

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