証券コラム

2016/12/16 マーケットコメント「土信田雅之の相場の視点」

日経平均の「年初来高値更新」と国内GDPの「嵩上げ」

今週の国内株市場も上昇基調が続いています。日経平均は先週以来、年初来高値を更新する日が目立っているほか、2015年大納会終値(19,033円)水準も超えたことで、このまま年末までキープできれば前年比プラスです。

確かに、最近の経済指標からは国内外の景況感が改善している傾向が読み取れますが、急ピッチな上昇によって「いずれ調整局面が訪れる」と分かってはいても、チキンレースのように上値をトライし続け、ついにここまできたかという印象です。「相場は不安の壁を駆け登っていく」という相場格言がありますが、まさにそれを地で行く展開です。

とはいえ、今週になって東証1部銘柄の「騰落レシオ(25日移動平均)」が2014年6月以来の150%水準を超えるなど、過熱感を示すサインが増えてきているのも事実です。他にも、国内名目GDP額とその東証1部市場の時価総額との比率(東証1部時価総額÷名目GDP額)が100%を超えてきたというのもあります。

この見方は著名投資家のウォーレン・バフェット氏が用いているということで有名です。これは、株式市場の時価総額とその国の経済規模は長期的には収斂するという考え方に基づいています。比率が100%を超えるということは株式市場の規模がその国の経済規模を上回る状態、つまり割高ということになります。一般的には90%~115%ぐらいが「妥当もしくは幾分割高」と言われています。

先週12月8日に発表された7-9月期GDP改定値での名目GDP額は約537兆円(季節調整済み年率換算)です。10-12月期分はまだ発表されていないためこの数字をそのまま使いますが、これを14日の東証1部の時価総額(約578兆円)と比べると107.6%になりますので、幾分割高感はあります。

実は、今回発表されたGDP改定値は速報値よりも大幅に増額されていることには注意が必要です。その理由は経済が好調だったわけではなく、計算手法を新しい基準に変更したためです。特に研究開発費がこれまでの経費から投資とみなされるようになって加算されたことが寄与しました。約31兆円ほど嵩上げされたと言われていますので、従来の基準のGDP額は大体500兆円ぐらいになります。

あらためて従来基準で比率を計算すると115%を超えます。となると、かなり割高と考えることができますので、調整局面への警戒を強める必要はあるかもしれません。

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