証券コラム

2018/05/11 マーケットコメント「土信田雅之の相場の視点」

「再び上昇してきた米金利上昇は侮れない?」

連休明けとなった今週の国内株市場ですが、日経平均はこれまでのところ22,500円水準でのもみ合いに近い状況が続いています。

3月下旬から直近まで株価をほぼ一本調子で戻してきた日経平均は、テクニカル分析的にみると、日経平均が下落トレンドを辿った1月23日の天井から3月26日のまでの下落幅(24,129円~20,347円)の「半値戻し」をクリアしたところでもあるため、一服感が出ているのかもしれません。

また、直近までの日経平均の戻りは、下落の要因となっていた不安材料(米長期金利上昇、米中の通商交渉、米ハイテク・IT企業への風当たり)が後退したことが背景にあります。そして、株価の値頃感や需給面の後押し、企業業績などが追い風となりました。その一方で、原油価格が数年ぶりの水準になるなど、新たな不安の種が出現したほか、米長期金利の上昇も再び意識されはじめています。日経平均の戻りの強さが試されるのはこれからと言えます。

ただ、米長期金利の上昇については、少し警戒を強めた方が良いのかもしれません。日本株にとっては、日米の金利差拡大による円安効果でプラス材料と受け止められることが多いのですが、新興国にとってはマイナスの影響が懸念されます。新興国は海外から投資資金を受け入れることで経済成長を遂げていますが、米金利の上昇は安全資産とされる米国債の魅力を高めることになり、投資資金が新興国から米国へ流れてしまうことになります。実際に、アジアの新興国通貨の対ドル相場が年初来で3%近く下げるなどの動きが出ています。

そもそも米国の金利上昇は経済拡大だけでなく、トランプ政権の大型減税と財政出動といった政策の影響もあります。米議会予算局(CBO)の試算では、米国の財政赤字は10年間でGDPの4.9%にのぼるとされています。これは、リーマンショック後の混乱時を除けば1980年代前半以来の水準で、当時はレーガン政権が大型減税や国防費増額の影響で、双子の赤字に悩んでいた時期でもあります。そして、1987年10月19日に名高いブラックマンデーが起こることになります。

必ずしも「歴史は繰り返す」わけではありませんが、米国の国債増発が予想される中、FRBの金融政策は利上げスタンスを継続しつつ、金融緩和の出口戦略を採っていることもあり、さらに米金利が上昇していく要因が存在していることを踏まえると、世界経済に想定以上の悪影響を及ぼしてしまう可能性があり、注意が必要と言えそうです。

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