証券コラム

2018/06/29 マーケットコメント「土信田雅之の相場の視点」

足元の軟調な相場地合いは押し目買いの好機か?

今週の国内株市場ですが、日経平均はこれまでのところ軟調な推移となっています。

その背景は言わずもがなですが、米国の通商政策への警戒感です。対中国では、7月6日に発動される制裁関税(500億ドル)を前に、米中間で目立った交渉の進展がないままであることや、対欧州でも、先週末の22日にEUが米国からの輸入品(28億ユーロ規模)に報復関税を発動したことへの対抗策として、トランプ米大統領が自動車への追加関税で対抗する方針を示唆するなど、対立を深めています。

米国の通商政策への警戒感が意識され始めてからかなりの時間が立ちますが、ここにきて実体経済への影響も芽吹いてきました。先週はドイツの自動車メーカーのダイムラーが米中の貿易摩擦の影響を理由に18年の利益見通しを下方修正すると発表したほか、今週も米バイクメーカーのハーレー・ダビットソンが欧州向けの生産を米国外に移すと表明したことがニュースとなりました。

これまでは、「あくまで通商交渉を有利にするためのパフォーマンスだから、いずれどこかで折り合いをつけるだろう」という楽観的な見方が大勢を占めていたのが、ここに来て、「もしかしたら、貿易戦争とまでは行かないまでも、実体経済や企業業績に影響を与えるまでこじれるかもしれない」という見方に傾いた印象です。確かに、素材や部品調達などのいわゆる「サプライチェーン」がグローバルに構築されていることもあり、事態の長期化や関税の報復合戦の様相を強めてしまうと世界経済への悪影響は思ったよりも大きくなる可能性があります。

今週で6月も終わり、2018年も折り返し地点を通過しようとしています。ちょうど半年前は日経平均が年初来高値(1月23日の24,129円)をつけた時期でもありました。その後は、3月下旬の安値(20,307円)まで下落したところで反転し、23,000円台まで戻してからはもみ合うような値動きとなり、昨年末終値(22,764円)比でまだマイナス圏に位置しています。

来週から7月相場入りとなりますが、来週は日銀短観(7月2日)や国内小売企業の決算発表が相次ぐなど、企業業績への注目度が高まる時期に差し掛かります。本来であれば、押し目買いの好機なのかもしれませんが、マクロ環境が不透明なだけに、バリューを材料とした買いがどこまで入るかが焦点になりそうです。

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