証券コラム

2015/11/27 発見!有望銘柄のヒント

「門前薬局」を減らして「かかりつけ薬局」を増やす?

病院にかかった後に薬を受け取る調剤薬局で「おくすり手帳を利用しなければ、窓口で支払うお金が20円安くなる」というのを聞いたことがあるでしょうか?

ことし4月の診療報酬改訂により、おくすり手帳は必ずしも利用しなくて良いことになった絡みでそのような事例があることはあるのですが、おくすり手帳の意義は「自分がこれまでどんな薬を服用してきたか、どの薬局でもわかるようにする」ということ。持病を抱えている方や複数の診療科目に通っている方などにとっては過剰な投薬や危険な飲み合わせを防ぐためにすごく大事なものですから、ぜひ活用しましょう。

薬局と言えば、先月23日に厚生労働省が薬局の将来像を示す「薬局ビジョン」をまとめました。その中で注目が集まっているのは

「病院の前にある“門前薬局”の収入を減らし、患者にとって身近な“かかりつけ薬局”を増やす」

という方針です。みなさんもご存知のように「病院のすぐ近くに薬局がある」ことは多いですよね。病院で受け取る処方箋は実際はどこの調剤薬局へ持って行ってもいいのですが、病院によっては「そこに薬局があるので」と言われたこともあるかと思います。わたしたちもすぐ近くにあるその薬局へ自然に足が向きます。

昔は病院の中で薬を処方していたことも多かったのですが、これだと「本当に適正な薬か・適正な量か」というチェック機能が働かないこと、それから病院外の薬局が不利になるということで「医薬分業」が進められ、調剤薬局が病院の外に作られるようになりました。

とは言ってもやっぱり調剤薬局は病院の近くにある方が患者さんも来やすいですから、大病院の前には薬局が並んでいたり、個人医院の目の前にも薬局が建つようになりました。これを「門前薬局」と呼びます。

しかし厚生労働省は2016年度以降の診療報酬改定で「特定の病院の処方箋が一定割合以上を占める薬局を『門前薬局』と判断して報酬を薄くする。反対に1人の患者の薬の服用歴をまとめて管理する『かかりつけ薬局』の報酬を手厚くし普及を進めていく」としました。

かかりつけ薬局の普及が進んだ場合、患者さんは自分の薬歴を薬局に把握してもらっていることで安心して薬を受け取ることができます。ふだんから薬について相談することもできるでしょう。しかし「病院へ行くのも大変なのに、また離れた薬局へ行くのか」「その薬はないと言われた」なんていうデメリットも考えられます。

また薬局側としては「いろんな診療科目にかかった患者さんが来る」ということで多種多様な薬を取り揃えること、在庫を常に持っておくことが必要になります。そして各薬剤師は高度な薬学知識はもちろん、優れたコミュニケーション能力も要求されるでしょう。

厚労省がいうところの「かかりつけ薬局」であろうとするには個人薬局では対応が難しい、という声も上がっています。店内に調剤コーナーを併設することが増えた大手ドラッグストア、そして多くの店舗を個人医院の前に持つ調剤チェーンなどはどういった手を打ってくるのか、注目です!

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