証券コラム

2016/06/10 発見!有望銘柄のヒント

製薬業界で「生産能力を大幅に増強」している商品とは

製薬業界で「生産能力を大幅増強」というニュースが相次いでいます。

植物由来のアミノ酸

ひとつめは「味の素【2802】が『システイン』の生産能力を2倍強に引き上げる」というもの。「システイン」とは医薬品の原料などに使われるアミノ酸の一種。味の素はアミノ酸製造専業の日本理化学薬品との共同出資で5月に新会社を設立し、生産能力を世界シェア2割にまで高める見通しです。

医薬品では「去痰剤」の原料に使われるというこのシステイン、世界での全生産量のうち8割は鳥の羽根など動物由来のもの。残り2割は「植物を微生物で発酵させる」方法で作られており、味の素と欧州のメーカーがその2割のシェアを分けあっています。

しかし動物由来の製造方法は環境への不可が大きいため、植物由来のシステインが動物由来のそれに取って代わると見込んだ味の素は、今回の生産能力増強により世界シェアをもっと伸ばそうと狙っているわけです。

中国人は疲れている?

ふたつめは「ビタミン剤」のお話。武田薬品工業【4502】は発売以来60年以上の人気を誇る「アリナミン錠」の生産能力をいまの2倍に引き上げると発表しました。

ターゲットは中国本土での発売です。同社の部門別売上げで実に3割以上を占めるというアリナミンは外国人観光客にも大人気で、フル稼働でも生産が追いつかない状態。そこで京都の生産子会社に30億円を投資して生産ラインを増強。中国へ本格的に輸出することで「日本を超える市場に成長する可能性」への期待を寄せます。

インバウンド増加の意外な影響

フマキラー【4998】は虫よけスプレー「スキンベープミスト」の生産量を前年比50%増に引き上げました。今年は「イカリジン」という日本初上陸の成分を配合した「天使のスキンベープ」も発売し、肌の弱い人や子供に向けて肌に優しい効き目をアピールしています。

子供の虫よけといえば、離乳食などで有名な和光堂【非上場】もユーカリなどの天然植物精油を配合した虫よけ「虫きちゃダメ」シリーズの販売で前年比70%増を見込んでいます。

ことし2月、世界保健機関(WHO)がジカ熱に関する緊急事態を宣言しました。夏の気温が毎年異常なほど高くなっていることと、訪日外国人観光客(インバウンド)が増加したことによって「感染者が日本にウイルスを運び込みやすい」とも言われており、虫よけ、特に「蚊」への対策は各家庭でも重要視されそうです。

製薬業界における増産に関しては、後発医薬品(ジェネリック)についても大きな動きが出ています。こちらも後日くわしくお伝えします!

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