証券コラム

2016/07/08 発見!有望銘柄のヒント

訪日外国人は増。でも「爆買い」は減。ということは?

百貨店で、訪日外国人客による売上げが減少しています。

日本百貨店協会が発表した5月の外国人観光客の「免税手続き総売上高」は、対象となる全国84店舗で前年同期に比べて16.6%も少ない138億8,000万円となりました。

中国人を始めとする訪日外国人数の増加により2013年からまる3年以上も増加を続けていたこの数字、4月に39カ月ぶりの前年割れとなったのに続いてのマイナスで、しかも16.6%とかなり大きく減っています。

しかし実は、発表された数字の中の「購買客数」は12.7%も増えています。ちなみに政府観光局が発表している「訪日外客数(推計値)」も前年同月比で15.3%増。つまり「客は増えたが、買い物が減った」ということ。いったいなぜなのでしょう。

中国が関税の課税を強化

買い物の額が減った大きな原因のひとつが「中国当局が関税の税率を引き上げたこと」です。

上でご紹介した「免税」というのは、「外国人が日本の品を購入し未使用で日本から持ち出す場合は日本の消費税を免除する」制度。2014年10月にこの対象となる品目が増えたことが「爆買い」のきっかけとなりました。以来この制度に変更はありませんので日本側の税金環境は変わりません。

しかし、この商品を中国国内に持ち込む際の課税制度がことしの4月から変わりました。持ち込みにかかる関税が、例えば酒や化粧品は従来の50%から60%に。高級時計は30%から60%に倍増したというのです。

これは中国政府が国内消費を守るため海外での爆買いを抑えようという狙い。税率の変更があまり知られていなかったのか、変更初日には関税を払えず持ち込みをあきらめた酒や化粧品が空港に散乱していたそうです。

じゃあ日本で何をしている?

外国人による買い物はかなりの勢いで減りました。しかし人数は増えています。じゃあ日本へ来て何をしているのでしょう?

いいヒントを見つけました。「楽天リサーチ」が発表した「訪日外国人の訪日時行動実態調査(台湾、香港、シンガポール)※」。名前からわかるとおり「日本で何をしましたか?」を聞いた調査です。

「訪日時、日本国内でおこなったこと」の第1位は台湾からの方、香港からの方、シンガポールからの方そろって「ショッピング」。質問が「おこなったこと」ですから、必ずするであろうショッピングがトータルで1位なのは当然でしょう。

興味深いのはそのあとに続く項目。

  • 麺類(ラーメン、うどん)を食べる…台湾2位・香港2位・シンガポール5位
  • 温泉入浴…台湾3位・香港3位・シンガポール6位
  • 繁華街の街歩き…台湾5位・香港5位・シンガポール3位

ラーメンの人気はすごいですね。さらに面白いのが「訪日時、予定していなかったが日本国内でおこなったこと」という質問。これで多くを占めたのは「温泉・スパに行く」「東京ディズニーランドに行く」「電車に乗る」でした。これ…わたしたちの「日常」と同じですよね?

外国語対応、カード対応がカギ

同じアジアの人々でさえ面白いと思う「日本の日常」ですから、欧米その他の地域の方々にとってはより新鮮なものとしてアピールできるはず。そこには大きなビジネスチャンスが眠っていそうです。

訪日外国人のみなさんがしばしば「日本のよいところ」として挙げてくれる「街が清潔」「治安がいい」「人が親切」「交通機関の時間が正確」のどれもが日本の日常を楽しんでもらうために必要な条件。これらはしっかり守って行きたいですね。

一方、さきにご紹介した楽天リサーチの調査の中にもあったのですが「英語表記に対応していないところが多い」点、それから東京五輪に向けて急がれてはいますが「外国発行カードに対応したATMが少ない」あたりが課題です。関連業界の動きに注目ですね!

※2016年4月18日・楽天リサーチ「訪日外国人の訪日時行動実態調査(台湾、香港、シンガポール)」

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