証券コラム

2016/11/25 発見!有望銘柄のヒント

トランプ新大統領は就任初日に離脱?TPPはどうなるのか

今週11月21日、トランプ米次期大統領は就任初日の予定について語るビデオを公表し、TPP(環太平洋連携協定)からの離脱を通告する考えを示しました。

トランプ氏は大統領選戦を通じてTPPは「最悪の協定だ」と強く批判しており、選挙に勝利した後も「就任初日に離脱する」と言っていたため、それを実行に移すことを示唆したわけです。

TPP発効には参加12カ国のGDP合計のうち一定の割合を占める国が議会での承認などを終える必要があります。12カ国のGDPのうち米国が占める割合は60%超。つまり米国の議会で承認されなければ、たとえ日本でTPP法案が承認されても発効しないのです。

最大の「売り物」牛肉をどうする?

しかしTPPが発効されない場合、米国にとっていいことばかりではありません。例えば米国の最も重要な輸出品であり、日本との間でも長いあいだ関税について話し合われてきた「牛肉」です。

昨年秋の大筋合意では牛肉の関税は「38.5%から、16年かけて9%になる」ということになっていました。

さらに牛肉の中でも、もともと関税が安く、TPP発効された場合さらに関税が安くなる部位として業界が注目しているのが「タン」と「ハラミなどの内臓」でした。これらの部位は関税が初年度から現在(12.8%)の半分、6.4%になるということになっていました。

和牛の国も実は「ドル箱」

多くの焼き肉チェーン店ではタンやホルモンは大部分がアメリカ、カナダ、オーストラリア産です。もしアメリカ産で1,000円の肉があったら関税を足して1,128円だったのが、TPPが発効すれば1,064円になった計算。仕入れ値が安くなったぶんを売値に反映してくれたら、タンやハラミがさらに安く食べられるという期待があったのです。

焼き肉チェーンや牛丼チェーンがしのぎを削る日本市場は有力かつ安定的な市場であり、米国畜産業界にとってはそれこそ「ドル箱」なはずなのですが、そこはどうなるのでしょうか。

オージービーフが躍進?

牛肉の輸出で米国のライバルであるオーストラリアはTPPとは別に日本との間で経済連携協定を結んでいるためすでに関税が下がっており、今後さらに下がる予定。もし米国がTPPを承認しないと日本の焼き肉チェーンや牛丼チェーンは一斉にオーストラリア産牛肉に目を向けるかも知れません。

ポイントとなるのは「トランプ氏が実業家である」ということ。父親から受け継いだ不動産会社を一代でここまでの王国に築き上げた大物ビジネスマンが、一部の産業とは言えみすみす損を取るようなことをするのでしょうか。TPPを含めた米国の貿易政策に注目が集まります。

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