証券コラム

2016/12/02 発見!有望銘柄のヒント

狙いは北海道だけじゃない。寒冷地エアコンが進化中

北海道などの寒い地方に行くと、軒下などに灯油を入れておくためのタンクがあります。寒さが厳しいため暖房器具は絶対必需品。多くの家庭では石油ストーブや夜間電力を使った蓄熱暖房、温水式のセントラルヒーティングなどが主流なのではないでしょうか。

そんな中、日本のエアコンメーカーが「寒冷地仕様のエアコン」の開発・販売に力を注いでいます。事実、平成26年度は寒冷地エアコンでパナソニック【6752】が前年度比2倍、ダイキン工業【6367】も2割増と売り上げを大きく伸ばしているのです。

札幌なんか暖かい

パナソニックの寒冷地エアコン開発プロジェクトチームが「さっぽろ雪まつり」に出展した際、あるお客さんにこう言われたそうです。

「札幌はまだ暖かい。日本一寒い陸別町(りくべつちょう)で使えたら認めるね」。

北海道足寄郡(あしょろぐん)陸別町は年間の最低平均気温がマイナス20℃を下回り、寒さのピークにはマイナス30℃を下回ることもある極寒の町。パナソニックではその陸別町で通用するエアコンを作ろうと、現地のモニター家庭の協力を得て実験を重ねています。

同じようにダイキン工業は1902年にマイナス41.0℃を記録した旭川市、シャープは1978年にマイナス41.2℃を記録した雨竜郡幌加内町(うりゅうぐん ほろかないちょう)という日本を代表する極寒の地に実験拠点を設け、厳しい寒さの中でも力を発揮するエアコンを開発。さらに研究を続けています。

弱点を克服

寒さの厳しい地方ではエアコンと言えば「すぐ暖まらない」「電気代が高い」「寒冷地ではムリ」というイメージ。しかしそこに立ち向かったのが日本の優秀なメーカーです。

シャープ【6753】はロングパネルで温風を強力に抑え込むことにより足元の暖かさを実現。パナソニックは寒冷地エアコンに不可欠な「霜取り運転」時にも暖房運転を止めない技術を開発しました。

ダイキンは外からでもエアコンを操作できるスマホアプリを開発。たとえば帰宅前に部屋を暖めたり、2階の寝室で布団に入ったまま1階のリビングを暖めておくことができます。

近年のエアコンの省エネ性能には目を見張るものがありますが、例えばダイキンは室外機の内部の凍結を防ぐためのドレンパン(排水受け)ヒータの1日あたり消費電力量を約35%も下げることに成功。もちろん各社とも運転中の省エネ性能は水準の高いものとなっています。

北海道だから伸びる

総務省の2014年全国消費実態調査によると全世帯ベースでのエアコン普及率は86.4%で、関東以西ではごく一部を除くほぼ全ての都府県で90%に近いかそれを超えており、今後普及の伸びが望めない状況です。

しかし北海道(25.7%)、青森県(51.6%)、岩手県(57.2%)、長野県(60.6%)などではまだまだ成長の可能性を残しており、特に夏の猛暑が全国に広がっている昨今では「夏も冬もエアコン1台で済む」のは大きな魅力です。

日本の寒冷地の先に見据えるのはもちろん「世界」の寒冷地。パナソニック、ダイキン工業、シャープとも寒冷地エアコン専用サイトを開設しているなど、力の入れようがわかります。極寒の地でもすぐに暖めてくれる日本の優秀な寒冷地エアコンに注目です。

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