証券コラム

2017/12/01 発見!有望銘柄のヒント

「座れる通勤電車」に注目!

20年以上前だと思いますが「京王線の新宿発・高幡不動行きの最終特急列車(当時)がどんなに混んでいても必ず座れるスゴ技の男」が主人公の「流星課長」というマンガがありました。いまでも単行本が売られていると思います。

列車の扉が開き、他の客がドドドと社内に流れ込んでも余裕の流星課長。カッと目を開くとジャンプ一閃、つり革からつり革へと空中を移動し、空いている席へストーン!と尻から着地。ライバル「自動ドアのマリア」と毎夜壮絶な席取り合戦を繰り広げます。

もちろんこれはギャグマンガですが、都会にお勤めの方であればこの「席取り」がすごく重要なことには共感できると思います。仕事でヘトヘトの帰り道、電車で座れるかどうかの差は「天国と地獄」と言っても大げさではありません。

会社には特急に乗って

長距離通勤で「お金を払ってでも電車に座りたい」というニーズがあります。例えば箱根の温泉へ行く際に乗るイメージが強い小田急電鉄【9007】の特急「ロマンスカー」を「新宿までの通勤列車」として利用する方は多く、平日の朝晩満席という状態はずっと前から続いています。

池袋駅を発着する西武鉄道【9024】の特急「レッドアロー」も朝晩は通勤利用するお客さんで満席状態。数百円の差なら、座って通勤したいというニーズは多く存在するのです。

専用列車が登場

しかしこれらはあくまでも「客が既存の特急列車を通勤に利用している」という話。そこで鉄道各社は通勤時間帯に「有料着席列車」を次々に導入し、さらに潜在しているであろう「快適通勤ニーズ」を取り込もうとしています。

池袋駅から発着する東武鉄道【9001】では2008年から「TJライナー」を導入し、川越、坂戸、東松山などへ向かう列車を午後6時から午前0時発の便まで30分おきに運行。大変な好評を得ています。

ことし3月25日から西武、東京メトロ、東急【9005】、横浜高速鉄道の4社が共同で運行している「S-TRAIN」のうち、平日に運行されるのは所沢~豊洲間。停車駅は保谷・石神井公園・飯田橋・有楽町に絞って、速さを確保しつつ乗客数増を狙います。

こうなると京王電鉄【9008】だって負けてはいられません。 2018年春に開始予定の有料着席列車は新宿発・京王八王子行きと新宿発・橋本行きの2種類。空気清浄機や無料公衆無線LAN、電源コンセントを備えた新車両はただいま愛称を募集しています。

ニーズと通勤手当

料金を追加することで座って通勤できる列車は、1984年に旧・国鉄が上野・大宮間で運行した「ホームライナー」が始まりだと言われています。

また東海道本線、宇都宮線、高崎線などには普通列車にグリーン車があり、追加料金を払って座って帰るという利用客はかなり前からいました。

ただし着席のための追加料金はもちろん「通勤手当の範囲外」ですから、利用者にとって純粋に「自腹」。でも誰だって座って通勤したいのが本音ですから「“苦痛からの解放”と“金銭負担”のバランス」が潜在ニーズの掘り起こし加減を左右するでしょう。

日本経済全体のことを考えても「通勤時のストレス」はない方がいいに決まっています。「痛勤」とまで言われる現状が改善されて、「駅員さんに背中を押されて電車に乗った」なんてことが昔話になるといいですね。

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